健康寿命”をのばす食べ物とは?

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健康寿命を伸ばす食事とは、単なる食品の選択ではなく、日々の食生活における賢い選択です。佐藤隆一郎氏の著書『健康寿命をのばす食べ物の科学』に基づき、この考え方を探ります。

私たちの老化は個人差があり、その速度は様々な要因によって左右されます。ニュージーランドの研究では、同じ年齢でも人によって老化の進行が異なることが示されています。老化は単に細胞が一様に劣化するわけではなく、少数の細胞から始まり、次第に周囲の細胞へ影響を及ぼします。私たちの体内では、活性酸素種(ROS)やDNAの損傷などにより、老化が進行します。老化細胞は周囲に炎症を引き起こし、その結果として他の細胞も老化が進むという悪循環が生じます。しかし、老化細胞を除去することで、この進行を遅らせることが可能です。これを「セノリシス」と呼び、老化の進行を抑制する新しいアプローチとして注目されています。

食品が持つ抗老化効果にも焦点を当ててみましょう。特にフラボノイド類には、老化細胞の除去を助ける効果があります。玉ねぎに含まれるケルセチンやイチゴに含まれるフィセチンなど、これらの成分は老化の進行を遅らせることが期待されます。実験により、これらの成分を含む食品の摂取が、筋力の増加や歩行速度の向上につながることが示されています。しかし、老化細胞の全てが悪いわけではありません。障害からの快復には老化細胞の出現が必要であることも考慮する必要があります。セノリティクスとしての効果を得るためには、その使用方法やプロトコールに注意を払う必要があります。

結論として、食品に含まれる特定の成分が老化を遅らせる助けとなる可能性があります。しかし、これらの成分を賢く活用することが重要であり、食生活全体を通じて健康を維持し、健康寿命を延ばすことが大切です。老化は自然な生命現象であり、日々の食事選びを通じて健康的な生活を送ることが、老化の進行を緩やかにする鍵となります。