今後、世の中に出て来るMicrosoft社のHoloLensについて

hologramHologramと言うと空間の中に浮かび出る仮想のイメージです。私が子供の頃、Hologramでキャラクターが浮かび上がるシールを見た時、感動した事がありました。逆に言うと、Hologramについて、体験した事と言うとそれくらいの物です。ただ、我々の時代はおもちゃでしかなかった物が、5年後、10年後の将来は、より生活の中に取り入れられてくるのではないかと感じています。
Microsoft社がHoloLensと言うコンセプトを発表していますが、最近、リリースされたWindows10の時代に現実の物となるとの事です。これまでは、デスクに座って、画面上でマウスをカチカチ、キーボードをカタカタしながら作業をしていましたが、近い将来には、空間に仮想のオブジェクトが浮かび上がり、それらを指と手を使いながら動かして、処理していく形になるのではないだろうかと思います。ある意味、今現在、流行りの指先でオブジェクトを動かすスマートフォンもその途中過程に位置付く物ではないかと思います。今後、企業の中でもHoloLensの手法が取り入れられて来るとするならば、ワーキングスタイルは、座った状態でのSedentaryなスタイルからより、実作業をしているPracticalなスタイルに変わって行くのではないかと思います。また、これまで、非常に言葉の説明では伝わりにくかった事が、より分かり易くなるのではないかと思います。例えば、AEDについてですが、音声ガイドで分かるようになっているとは言う物の、果たして、「さあ使え。」と言われ、すぐに音声ガイドの説明が理解出来るかどうかが不明です。このような状況において、HoloLensの機能を使って、空間に仮想の物体を示しながら、説明を聞き、作業を行う事が出来るならば、作業負荷は非常に減るのではないかと思います。
人間と言うものは、非常に不思議で、たいした事のない情報であっても、何か物を見ながら、説明を聞くのと、何も見ずに説明を聞くのとでは、かなり理解度が異なります。また、何かを教える事においても、従来は、物理的に同じ場所にいないと教えられなかった事が、遠隔から、HoloLensの機能を使って、トレーニングを行う事が出来るのかもしれません。英語の学習などについて考えてみても、より、Practicalな英会話の学習が可能になるかと思います。逆にデメリットで言うと、活字を読む際の想像力の低下だと思います。小説などを読む際、活字を読んで、その作者の思い浮かべる風景などを想像しながら読み、また、それが楽しいと感じる人も多いと思います。そういう能力がきっと、退化していくのではないかと危惧します。
今の電車の中の人々を観察してみると、かなりの割合で、スマートフォンを見ながら、指先で色々と何かを処理しています。この状況下ですら、時に異常だと考える人もいるかと思います。HoloLensが世の中に登場すると、どうなるかと考えてみると、皆が、ゴーグルを掛けながら、他人から見れば、奇妙に手を動かしながら踊っているような光景が想像できます。狭い、満員電車の中でやろうものなら、大変迷惑な行為になってしまいます。間違えて、隣のおじさんの頭を叩いてしまったと言う事にもなり得ると思います。
従来の人間の学習スタイルは、座学から実技へと、きっちり、段階的に分けてやってきました。突然、HoloLensのような革命的な物を取り入れる前に、人間がこれまで踏襲してきたスタイルを崩さずにどのように取り入れていくべきかをきっちり考えていかなければならないと思います。

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