99歳で看護師として働き続ける池田さんの話(写真は池田さんではありません)

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99歳で看護師として働き続ける池田きぬさんの話は、私たちに“人生100年時代”をどのように生きるかという大きな問いを投げかけています。三重県津市の高齢者施設「いちしの里」で働く池田さんは、「定年は必要ない」と語り、生涯現役であることの大切さを体現しています。池田さんが看護師としてのキャリアをスタートさせたのは19歳の時。太平洋戦争中は日本軍の看護要員として働き、戦後も地元で看護師としての仕事を続けてきました。88歳で「いちしの里」に就職して以来、もう10年が経ちましたが、彼女の働く意欲は衰え知らず、「誰かの役に立ちたい」という強い思いから、体力の限界を感じるまで現場に立ち続けました。ASEANのオンライン会合で日本代表として講演した池田さんは、定年制について疑問を呈しました。彼女の経験は、日本の「定年制」のあり方や、高齢者雇用の現状について再考するきっかけとなります。日本を含む多くの国々では、定年制が高齢者の働きたい意欲を阻害している現状があり、イギリスやカナダ、オーストラリアなど定年制そのものがない国々や、アメリカのように定年制を年齢差別として禁止している事例は、私たちにとって重要な参考になります。「いちしの里」では、池田さんを含む60代以上のスタッフが3分の1を占め、多様な年齢のスタッフがそれぞれの能力を生かして働いています。このような環境は、年齢に関わらず働く機会を提供し、お互いを支え合うことの価値を示しています。

池田さんの物語は、働くことの意義と、人生を豊かに生きるための選択肢について考えさせられます。定年後も活動的に過ごしたいと願う人々にとって、池田さんのように働き続ける道が一つのモデルとなるでしょう。また、社会全体としても、高齢者が能力を発揮し、貢献できる環境を整えることが、これからの「人生100年時代」を豊かにする鍵となります。池田さんの生き方から、私たちは多くを学び、インスピレーションを受けることができるのです。