歩み寄りのコミュニケーション

言葉によって、お互いが通じ合うためには、やはり、それぞれの歩み寄りの努力が必要だと思います。一方が知らない国に訪れる際、多少なりともその国の言葉や文化、習慣を事前に覚えておけば、コミュニケーションも取り易くなります。個人的な経験ですが、15年程前、アメリカに行く際に韓国の仁川を経由して行った事がありました。図らずも、仁川空港で少し待つ時間があり、空港の中で色々と店を周っていたのですが、何語で話せばよいのか迷ってしまいショッピングもろくに出来ませんでした。韓国なので、店の方々は韓国語で話しかけてくる事が多かったのです。何を言っているか分からない様子を示すと、相手は英語、もしくは日本語で話しかけてきました。今、思うと、基本的な挨拶のフレーズと「韓国語を話せません。」くらいのフレーズはやはり、覚えておくべきだと後悔しました。また、アメリカに滞在中、空港で中国の方が全く理解の出来ない中国語で色々と話しかけてきた事がありました。恐らく、私の事を中国人だと思って、色々と尋ねて来たのだと思いますが、一言も理解出来ずで、相手に残念な思いをさせてしまった事もありました。中国語、韓国語よりも英語が重要だと考える人が多いようですが、多少なりとも中国語、韓国語は出来た方が良いのだと経験的に思いました。
外国人が日本に訪れる際、多少でも良いので日本語を覚えてから来られると、助けになると思います。ガイドブックに書いてあるフレーズくらいのレベルでも、知っているのと、知らないのでは大きな違いだと思います。数年前、京都の金閣寺に行った時に外国人が高校生にバスの乗り方を英語で訪ねていました。ペラペラと英語で聞いていたので、高校生は全く理解出来ない様子でした。この時、ガイドブックに書いてあるレベルでも良いので、日本語で質問をすれば、高校生も質問を理解し、頑張って、英語と日本語を交えながら説明が出来たのかもしれません。
外国人と話しをする際、私はお互いの歩み寄りの努力、もしくは、お互いの気遣いが必要だと思います。通じないだろうと思って、話をするよりも、こうすれば通じるだろうと言う考えを持ってコミュニケーションは取るべきだと思います。必要であれば、スマートフォンで示したり、紙に絵を描いて補助したりする事もありかと思います。
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催される時、多くの外国人が訪れる予定です。その時、日本としては、「スタッフ全員、十分に英語を練習してきたので、問題なく英語で案内が出来ます。」と言えるだろうかと言うと、なかなか、難しいのではないかと思います。外国人の方々は、たとえ一週間くらいでも良いので、多少の日本語を学んでから来てもらえると、スタッフ側としても非常に助かるのではないかと思います。
自動翻訳はかなりのレベルまで来てはいますが、まだまだ誤訳があり、円滑なコミュニケーションを取るツールとしては、課題がたくさんあると思います。そういう状況下で円滑なコミュニケーションを取るためには、お互いが勉強して歩み寄る事が大切だと思います。