ビジネスの世界では、「瞬時に言語化できる人」が成功するとされています。荒木俊哉氏は、この言語化力、すなわち「何を言うか」という能力を高める方法として独自のメソッドを提案しています。このメソッドは、A4一枚のメモに頭に思いついたことを書き留めるシンプルなトレーニングです。通常、メモは記録のためのツールとして使用されますが、荒木氏のメソッドでは思考を言語化するためのツールとして使います。
具体的なトレーニング方法は、A4用紙の一番上に問いを書き、その問いに対する思いを2分間で書き出します。この作業を1日に3枚、合計6分間行うだけで言語化力が向上します。用紙は「思考」と「理由」のブロックに分け、問いに対する思考を書き、その理由を深堀りしていくと、言葉の解像度が高まるとされています。このトレーニングを2週間続けると、自己の意識が向上し、ぼんやりとしたイメージや思考が言葉に変わることで、必要な時に適切な言葉が出てくるようになります。
荒木氏の新刊書には、このメソッドに用いる「問い」が500個記載されており、自己分析や仕事上の問題解決に役立つと考えられています。このトレーニングは、無意識に感じていたことやモヤモヤしたものを整理するだけでなく、自分の強みや魅力を再認識するメリットもあります。文字にすることで自分の考えを客観的に見ることができ、自分ならではの意見やオリジナリティを発見する手助けにもなります。言語化力は、ビジネス上の課題解決だけでなく、人生においても重要なスキルとなるでしょう。