世界中の警察や軍が信頼して利用してきた暗号化無線規格「TETRA」。これが、一部報道によれば、意図的に設けられたバックドアの存在が露呈したという報告があります。英語で「裏口」や「勝手口」を意味する”バックドア”は、セキュリティの世界では「コンピュータへ不正に侵入するための入り口」を指します。
この報告によれば、このバックドアは数十年前から存在していた可能性があるとのこと。それはつまり、長年にわたり、このバックドアを通じて機密情報が漏洩していた可能性があります。日本をはじめとする多くの地域で、暗号化無線規格「TETRA」は空港無線サービスや重要なインフラのプロバイダーによって20年以上もの間、信頼されて使われてきました。しかし、最近になってTETRAには「TEA1」というバックドアが存在することが明らかになりました。
このバックドアを利用すれば、一般的なノートPCと市販のハードウェアだけで、暗号化された無線をわずか1分で復号することが可能になるのです。
現実世界において、このようなことが可能であるとすれば、情報伝達のセキュリティーには限界が存在すると考えざるを得ません。こう考えるのは、私だけのはずはないでしょう。