幼少期からの外国語の習得について

kodomoeigo日本語を覚える前に幼少期の頃から英語を教える事は、日本語ができない子どもになると主張する評論家もいます。確かにこの考え方に関しては、完全に否定出来なくない部分もあります。現にアメリカに移住した日本人が彼らの子供に対して、中途半端に日本語を教えた事で何か、英語と日本語がまぜこぜになった不思議な言葉を話すようになるケースを知っています。英語圏の海外に移住すると、普段の生活が英語ベースになってきますので、漢字も含めて、日本語としての単語がどんどん忘れさられて行き、英語の単語に置き換わる現象が起こってきます。ただ、骨格としての言語は母国語としての日本語である事から、文法体型は、日本語のまま残ってしまいます。挙句の果てには、名詞だけでなく、動詞や形容詞も英語に変わって行くと、聞き取る事すら不能になって来る事もあります。
例えば、実話に基づく極端な話ですが、「あなたの妹さん、結婚したのでしょ?」と言うのを「YouのSister, Marryしたのでしょ?」と言う形に変化していきます。これでは日本語なのか英語なのか分かりません。勿論、意識的に日本語は日本語、英語は英語できっちり区別して話すようにしている家庭においては、このような事にはならないのですが、自然に放置すると、このような事が起きるのだと思います。このように、日本語と英語を混ぜて、話すような事をすると、子供も真似て、そのような日本語を話すようになってしまいます。
英語を幼少の頃から、学ぶ事は良い事だと思いますが、日本語とまぜこぜにならないように、教える事が重要ではないかと思います。絵本などを使って、英語を教える場合、日本語版と英語版の両方を読み比べるような事をするのも良いのではないかと思います。たとえば、ロシアの童話で有名な「おおきなかぶ」ですが、英語版はThe giant turnipです。実は、ストーリーも日本語版と英語版で少し違ったりして、比較すると面白かったりします。この場合、これは日本語版、これは英語版と言うように本が物理的に分離されているので、英語と日本語が混在する事はないのだと思います。

ところで、ヨーロッパ諸国の人々の話を聞くと、言語習得に対する感覚の違いを感じてしまいます。大人になってから、ドイツ語を勉強し始めて、10年くらいして、話せるようになったと言う事も珍しくないそうです。日本の場合、10年経って、新しい言語をマスターしているって事はそうそうない事だと思います。また、別の例では、ビジネスのためにイタリア語を習得する必要があり、1日に7時間、毎日、イタリア語の勉強をしながら、プラスアルファ仕事もしたと言う人を知っています。当然、語学は、幼少期の頃から始めた方が、上達が速いと言うのはありますが、大人になってから、必要に迫られて始めても、遅くはないのだと私は、確信しています。ただ、語学の習得をするためには、好き以外に、何か勉強するための強烈なMotivationがないといけないのかなと思います。日本語と英語で十分に暮らしていける日本社会であれば、わざわざ、外国語の勉強に貴重な時間を費やす必要はないと思うのは当然だと思います。ただ、外国語の習得に焦りを感じる必要はないのだと、私は思います。習得せざるを得ない環境に追い込まれた時には、またスイッチが入り、勉強が出来る機会が訪れるのだと思います。負け惜しみの発言かもしれませんが、モノリンガルの傾向が強い日本人と、マルチリンガルの多いヨーロッパの方々の言語習得能力に大きな違いがあるとはあまり思えません。むしろ、マルチリンガルになれる環境があるかないかだけの違いではなかろうかと思います。

品質最優先翻訳翻訳会社ERF