東大阪の近畿大学のキャンパス内には、英語村E3(e-cube)があり、そこが今年、開設10周年を迎えるとの事です。楽しく遊びながら英語を学ぶと言うのがコンセプトであるとの事ですが、英語村の概念そのものがまだ、歴史の浅いものなので、10周年を迎えると言うのは、非常に重要なマイルストーンではないかと思います。英語を学ぶと言うと、どうしてもクラスで英語のレッスンを受講すると言う敷居が出来てしまいます。英語村と言うコンセプトは、そういう敷居を取り外し、誰でも気軽に立ち寄れると言うメリットがあるのではないかと思います。
近畿大学は、数々のオリンピック・パラリンピックで活躍された有名選手を出しており、実は、近日行われるこの英語村の10周年記念日のパーティにおいても、選手の一人が英語でスピーチをされるとの事です。きっと、有名オリンピック・パラリンピックの選手が率先して、スピーチをする事で、参加者の英語に対するモチベーションもより、アップするのだと思います。
英語のレッスンの場合、決められた時間、日にレッスンと言う形で、どうしても縛りが出来てしまいます。また、途中でやる気が出なくなったりして、行かなくなったらどうしようなどのプレッシャーがあるため、なかなか、踏み切る事が出来ないのだと思います。それに比べて、英語村と言う存在は、行きたくなったら、立ち寄れると言うアットホームな安心感があるのではないかと思います。クラス、塾と言う縛りを付けてしまうと、どうしても、止めた際に「あの人は、根気、やる気がないからだ。」等の評判が広まってしまう可能性がありますが、英語村とする事で、止める、続けると言うような概念が取っ払われるのだと思います。
今では当たり前の物になってしまいましたが、少し前に駅前留学と言うのが、新星の如く現れて、流行った時期がありました。駅前留学と言うと、本当の留学をするよりは、ずっと気軽と言う意味で人気があるのだと思いますが、英語村と言う概念を、町の公民会と同じような形で、取り入れるのは、良いアイデアではないかと思います。そんな気軽な勉強では、確かに駄目なのかもしれませんが、今の日本では、その気軽に英語を勉強する場所ですら、すぐには見つからないと言うのが現状だと思います。
近畿大学の英語村では、ゲームをしたりしながら、英語を学ぶそうですが、私も含めて、日本の英語教育で育った日本人は、遊ぶ時に話す英語と言うのが、あまり、得意でないのかもしれません。もし、機会があるならば、そういう類の英語を大人になってから、改めて、習うと言うのは、非常に良い事なのだと思います。
かなり、英会話が得意な方であっても、アメリカの子供達と遊びながら、コミュニケーションをとると言うのは、案外、難しい物です。たとえば、もうすぐハロウィーンですが、立派に仮装してきた子供達にどういう言葉を返してあげるかと言うのは、考えて出て来ると言うよりは、自然に出て来ないといけないものなのだと思います。3歳、4歳くらいの子供であれば、まだまだ、ごまかしは利くレベルですが、小学生、中学生になってくると、彼らの間での独特な表現もたくさんあったり、早口であったり、「この人、何て言っているかさっぱり、分からない。」等と思われたりすると、そこで、コミュニケーションは途絶えてしまいます。
日本人にとって、英語を使う機会と言うと、ビジネスの中での英語であったり、留学先のカレッジや大学で使う専門分野における英語であったり、日常生活をする上での英語であったりするのだと思います。子供と会話する際の英語と言うのは、きっと、そこにはないものなのかもしれません。そういう観点で英語が学べると、きっと、英語に対する考え方の視野も広がるのではないかと思います。